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3つ星『カンテサンス』も自分の感性を信じてつくりました~グラナダ・下山雄司インタビュー
ナポリピザ・レストラン、イタリアン居酒屋、焼酎バー、スペインの3つ星レストラン『サン・パウ』、スペイン・バル、イタリアの2つ星レストラン『サドレル』、和食店、そしてミシュラン東京で3つ星を獲得したフランス料理『カンテサンス』等々―――、それらが全て一つの企業の経営だということを、従来の飲食業界関係者の誰がイメージできただろう。経営効率アップのために水平展開しか考えて来なかったこの業界にあって、下山雄司の戦略は全く逆だ。全ての店のコンセプトとロケーションは異なる。
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二人の友情で築く、深夜でもしっかりと食べて飲めるレストラン
ラ・ベル・ブラッスリー・モリ オーナーシェフ森茂彰ストーリー
恵比寿駅前の喧騒を逃れ、線路沿いの小道を登って5~8分。「まだ着かないかな」と少し心配になるころに、この店は現れる。小さな居酒屋やレストランが入った5階建てのビルの3階。
―――また今日も来ちゃった。
そう呟きながら、週に複数回やってくる客が少なくないのがこの店の特徴だ。
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南仏ニースの情熱のシェフ
レストラン「ケイスケ・マツシマ」シェフ 松嶋啓介ストーリー
かつてセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、シャガールらを魅了したプロヴァンスの豊穣な陽差しが、天使の海岸と呼ばれる美しいニースの海岸線を照らしている。
午前6時半。まだ街の喧騒が始まる前に、レストラン「ケイスケ・マツシマ」の前に一台の白い小型トラックが姿を現した。
「じゃ行きましょうか。着いてきてください」
運転席に座る松嶋啓介は、そう言うと慣れたハンドル裁きで海岸線の道から山岳部の高速道路へと車を走らせる。
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朝3時に寝て4時に起き、9時に仕込む日々~シェフという仕事の本質
3つ星レストラン「カンテサンス」シェフ岸田周三ストーリー
若干32歳にしてミシュラン東京版の3つ星シェフとなった「カンテサンス」の岸田周三。その仕事の細部を見ていくとき、こんな言葉が浮かんでくる。
「シェフは時間の管理人である」
午前4時、徳島の漁師との電話から始まる一日の仕事は、全てお客様に最高の状態の食材をジャスト・イン・タイムの火入れで味わっていただくためにある。その料理は驚きと新鮮さを客席にもたらし、その美味しさ故に客席は連日満席となる。その状態こそ、料理人の時間管理に余裕を生み出しモチベーション・アップにも繋がる。
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疲れた夜は東京板橋串カツ『河内屋』へ行け
今はほろよい横丁なんて可愛げな名前がついている。JR埼京線板橋駅、近藤勇の墓がある「東口」を出てすぐ左の線路沿い。かつてこの小径は下町・板橋の「ボッタクリ街」として有名だった。最近では昭和臭い立ち飲み屋や、務め帰りのサラリーマンを吸い込む小さなスナック等が並んでいる。
その横丁入り口の看板もない小さな店が気になり始めたのは、3年ほど前のことだった。